大丈夫かな?隣の老夫婦

大丈夫かな?隣の老夫婦

隣の家に住むのが老夫婦、若い頃の旦那さんは休みの度に庭いじりをしていた。庭いじりをする旦那さんにお茶を出してあげるのが奥さん、そんな夫婦を私は羨ましく思っていた。
仕事が休みの日に駐車場で洗車をしていると、老夫婦が住む隣の家の前にワゴン車が停まった。なんだろう?と思いながら様子を伺っていると、ワゴン車から出て来たのは作業着姿の男性、家の修理でもするのかな?そんなことはない、家の修理なら一言あってもいいはず。
作業着姿の男性がワゴン車から出したのは脚立、その脚立を庭に運び木の剪定を始めた。
隣の旦那さんは年老いて庭いじりが出来なくなったのだ、なんだか寂しいな、昔は元気な人だったのに。
庭の剪定が済んでから数日後、隣の老夫婦宅では増築した屋根の塗装を始めた。
家を丸々塗装するなら挨拶に来られる律儀な人なのだが、塗装をするのは増築した屋根のみのため、隣近所の迷惑にはならない。
塗装をする増築した屋根は1階のため、旦那さんが若ければ業者に頼むことは無かっただろう。
1階の屋根、しかも、塗装する面積は広くないため、業者は足場を組むことなく塗装を始めた。
塗装する面積が小さくても塗装工程は同じ、しかし、面積が小さいと塗装は土日の2日間で終了。
増築した屋根の塗装が終わってから約3ヶ月後、今度はガレージの塗装が始まった。
ガレージの塗装が終わってから数カ月後、今度はガレージの床の防水塗装が行われた。
私、「どうして、1度に塗装をしないのだろう?まとめて行ったほうが安く済むのに」
妻、「お隣さん(老夫婦)、話し相手がいなくて寂しいのよ」
それを知ってか、塗装業者の中には仕事をせず、ずっと老夫婦と話している者がいる。
老夫婦がお金をボラれていないか心配になり、隣の旦那さんに聞いてみると、仕事をせず老夫婦とずっと話しているのは塗装業者の元社長さん。
社長の座は息子さんに譲り、引退した元社長さんは年老いたお客さんの話し相手になっているとのこと。

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