父親の戯言

父親の戯言

実家に帰ると、年老いた両親が言い争っていた。 私、「どうしたの、外まで声が聞こえるわよ」 母親、「外壁塗装のことで話してたの」 私、「家を塗装するの?」 父親、「そう思うだろ」 母親、「退職金が残っているうちに外壁塗装をしたほうが良いと言ったの、そうしたら、この人、家を引き継ぐ子供達にやらせれば良いじゃないかと言うの」 ※私の母親は機嫌が悪いと、昔から父親のことを「この人」と言う。 父親、「やらせれば良いとは言ってないだろ、俺達がやらなくても良いんじゃないか、と言っただけだよ」 母親、「同じことじゃない」 家のことは前から、どうするか度々話していた。 とは言っても親が元気なうちに相続の話をするのは縁起が悪い気がするため、毎回、結論は出ない。 母親、「外壁塗装をしないと、この子達(私達姉妹のこと)が困るのよ」 私、「お姉ちゃんは、なんと言ってるの?」 母親、「外壁塗装なんて、どっちだって良いとしか言わない」 姉がそう言えるのは、私達とは離れて住んでいるから。 頻繁に実家を訪れるのは近くに住んでいる私、しかし、相続となると私と姉は平等に遺産を受け取ることになるだろう。 父親、「外壁塗装をしないのは、お金をケチってるわけではないんだ。取り壊すかもしれない家にお金を掛けるより、娘達にお金を残したほうが良いと思ってるからだよ」 それを聞いて、私と母親は鼻で笑った、なぜなら、私の父親は家族思いの人ではなく、今までさんざん、お金のことで苦労をさせられたから。 父親の戯言(たわごと)と分かれば、実家の外壁塗装をすることになった、相続財産の価値が少しでも良くなるよう、高価な塗料で塗ってもらった。

 

外壁塗装 東京都北区

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